テンセント、ゲーム開発ウェイクアップ社を買収

【広州=比奈田悠佑】中国のインターネット大手、騰訊控股(テンセント)は15日、日本で事業を手掛けるゲーム開発企業、ウェイクアップインタラクティブを買収した。ウェイクアップ社が同日発表した。テンセントはKADOKAWAにも出資しており、中国内でゲームに関する規制が強まるなか海外市場の開拓を急いでいる。
ウェイクアップ社は本社を香港に置き、日本を中心に事業を運営している。専用機のほかパソコンやスマートフォン向けの企画や開発を手がけている。詳細は明かしていないが今回、テンセントの子会社になったという。米ブルームバーグ通信はテンセントがウェイクアップ社の株式約90%を50億円超で取得したと報じている。
テンセント傘下入りでウェイクアップ社は独自ゲームやIP(知的財産)の開発を急ぐ。既に新たな多人数参加型ネットゲームの開発プロジェクトを始めているという。
テンセントはこれまで日本のほか欧米の有力ゲーム企業への出資を通じて海外展開を進めてきたが、ここにきて一段と取り組みを強化している。中国で未成年者(18歳未満)へのゲームサービスの提供時間が制限されたり、新作発売に関わる当局審査が停止したりと締め付けが厳しくなっているためだ。
今月10日に発表した2021年7~9月期決算ではゲーム売上高の国内外の内訳を公開した。中国本土が前年同期比5%増の336億元(約6000億円)だったのに対し、海外は20%増の113億元と大きく伸びた。投資家に対してだけでなく、ゲーム企業の海外展開を促す中国当局へアピールする狙いもあるようだ。
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