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尹大統領、日韓関係改善へ意欲先行 初の光復節演説

【ソウル=恩地洋介】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は15日の演説で、日本との間で山積する歴史問題への解決に意欲を示した。自由への脅威に立ち向かうため、日本と協力していく姿勢も強調した。文在寅(ムン・ジェイン)前政権との違いをにじませたが、関係改善への具体策には触れなかった。

韓国の光復節は日本の植民地からの解放を記念する日で、大統領が対日関係などについて演説する。5月に就任した尹氏にとっては初となった。

尹氏は焦点の歴史問題に関して「普遍的価値を基盤に両国の未来と時代的使命に向かって進めば、歴史問題もきちんと解決できる」と述べた。解決方法への言及や、日本への注文はなかった。

大統領候補の時と同様、1998年に当時の小渕恵三首相と金大中大統領が署名した日韓共同宣言を継承したい考えを示し「韓日関係を早期に回復させ、発展させる」と語った。同宣言は植民地時代の韓国国民の苦痛を巡る日本側の痛切な反省と心からのおわびを盛り込んでいる。

元徴用工訴訟は原告が差し押さえた日本企業の資産が近く現金化される可能性がある。尹氏が具体的な対応に触れなかったのは、韓国内の意見集約が難航しているからでもある。

韓国外務省の官民協議会では、企業や個人が出資する基金や韓国政府が「代位弁済」する案などを検討したが、賠償の履行を求める一部原告は反対している。協議会に参加していた原告側代理人も、3回目の会議から出席をとりやめた。

こうした現状から、韓国政府は日本による謝罪などを念頭に「日本側の誠意ある呼応」(朴振外相)を求める。しかし日本は1965年の日韓請求権協定で問題は解決済みとの立場を取っており、韓国側がまず解決策を示すべきだとの姿勢を譲っていない。

原告と日本政府の板挟み状態に陥った尹政権は、大法院(最高裁)による現金化判断の先送りに期待をかけている。地裁が出した三菱重工業資産の売却命令について、最高裁が同社の再抗告を棄却すれば現金化の手続きが始まってしまう。

韓国外務省は7月下旬に「多角的な外交努力を傾けている」と訴える意見書を最高裁に提出した。現金化までの時間を稼ぎ、その間に国内調整と日本との外交交渉を進めたい考えだ。

北朝鮮の核問題や国内経済への対応にも触れた尹氏の演説では、「自由」という表現が33回にわたって登場した。自身の支持率が低迷するなか、保守系が重視する価値観を強調し、南北融和に傾斜した文政権との差別化を図ろうとしたとみられる。

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