G20サミット開幕、ジョコ氏「戦争を終わらせるべき」
【バリ島=地曳航也】20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が15日、インドネシアのバリ島で開幕した。米国と中国の対立や、ロシアのウクライナ侵攻で、G20内の分断が深まっている。食料やエネルギーの逼迫などの課題で接点を見いだせるかが焦点だ。
議長を務めるインドネシアのジョコ大統領は冒頭の演説で、ウクライナ侵攻を念頭に「我々は戦争を終わらせなければならない。世界を2つに分断すべきではない。新たな冷戦に陥ってはならない」と結束を呼びかけた。
会議は15~16日の日程で開く。15日午前に食料とエネルギーの安全保障について討議する。ロシアがウクライナを侵攻したあおりで価格が高騰し、途上国の経済に影響を及ぼしている。
15日午後に新型コロナウイルス禍からの回復、16日にはデジタルトランスフォーメーション(DX)に関して話し合う。ジョコ氏は参加国・地域の一致点を探り、成果文書である首脳宣言を採択したい考えだ。
G20に加わる欧州連合(EU)のミシェル大統領は15日の記者会見で、14日に首脳の補佐役であるシェルパ間で首脳宣言案で合意したと明らかにした。「非常に前向きな動きだ」と評価した。
2022年のG20の一連の閣僚級の会議はウクライナ問題で参加国・地域が対立し、合意が必要な共同声明の採択を見送る事態が相次いでいる。
G20サミットにはバイデン米大統領や中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席、岸田文雄首相らが出席する。ロシアのプーチン大統領は欠席を表明し、代わりにラブロフ外相を派遣した。ウクライナのゼレンスキー大統領はオンラインでの演説を予定する。
バリ島に到着後、病院に搬送されたとの一部報道があったラブロフ氏は15日午前、会場に姿を現し出迎えたジョコ氏と握手を交わした。

20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は11月15~16日の日程でインドネシアのバリ島で開かれます。最新ニュース・解説をまとめました。