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フィリピン、米軍との協定破棄を保留 同盟決裂は回避

ドゥテルテ大統領は14日、米軍との協定破棄の保留を決めた=AP

【マニラ=志賀優一】フィリピン外務省は14日、米国に通告した「訪問軍地位協定(VFA)」の破棄を保留すると明らかにした。VFAは両国間の軍事同盟に実効性を持たせる重要な協定だ。これまでも破棄を保留してきた経緯があり、同盟関係が決裂する事態は再び回避されることとなった。

比外務省は同日、ロクシン外相が「ドゥテルテ大統領からVFA破棄を6カ月間保留することを決めたと伝えられた」と話すビデオメッセージをツイッターに投稿した。両国間の協定についてドゥテルテ氏がなお課題があるとしているというが、詳細は明らかにしていない。

VFAは米軍がフィリピン軍基地を使う根拠となる重要な協定だ。ただドゥテルテ氏から指示を受けたロクシン氏が2020年2月、米側にVFAを破棄する意向を一方的に伝えていた。ドゥテルテ氏の側近が米国から査証(ビザ)を取り消されたことが背景にあるとされる。

当時のトランプ米大統領は「(VFA破棄を)気にしない」と米軍の費用削減を優先する発言をしていた。ただ破棄が現実となればアジア太平洋地域の安全保障体制に大きな影響を及ぼす。そのため両国は破棄を保留してきた。

南シナ海では21年3月から、フィリピンが排他的経済水域(EEZ)と主張する海域で中国船が停泊を続けている。中国に対して「即時退去」を求め続けているが解決していない。フィリピンは仮にVFAを破棄した場合には軍事的に米国の後ろ盾を失うことになる。そのため今回も決断を先送りしたとみられる。

バイデン米大統領は同盟国との連携を訴え、アジア太平洋地域を重視する姿勢を打ち出している。特に中国が海洋進出を強化するなか、米国にとってフィリピンは南シナ海の重要な軍事的要衝となっている。

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