豪州とオランダ、ロシアを提訴 マレーシア機撃墜で

【シドニー=松本史】オーストラリア政府は14日、2014年7月にウクライナ東部で起きたマレーシア航空機の撃墜事件を巡り、オランダ政府と共にロシアを国際民間航空機関(ICAO)に提訴すると発表した。撃墜に関してロシアが豪州・オランダとの交渉に応じないため法的手段に訴えると説明した。
豪州のモリソン首相は声明で「撃墜に関して責任を取ることを拒んでいるロシアの姿勢は受け入れがたい」と強調。「豪政府はロシアの責任を追及するため、可能な限りの手段を講じる」と述べた。
民間航空機の運航に関する取り決め「国際民間航空条約(シカゴ条約)」は複数国の間で意見の相違があり交渉で解決されない場合、ICAO理事会が決定を行うと定めている。
事件ではウクライナ東部上空でアムステルダム発クアラルンプール行きの旅客機が撃墜され、乗客乗員298人全員が死亡した。オランダなど5カ国の合同捜査チームは19年、容疑者としてロシア軍の元大佐ら4人を特定し、殺人罪で起訴すると発表した。