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シンガポール、金融引き締め 7~9月GDP6.5%増

シンガポール金融通貨庁は経済の正常化が進む現状を踏まえ、3年ぶりの金融引き締めに踏み切った=ロイター

【シンガポール=中野貴司】シンガポール金融通貨庁(MAS)は14日、金融政策を引き締め方向に変更したと発表した。同日発表の7~9月期の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年同期比で6.5%増と堅調だったほか、国内外で物価の上昇が加速する懸念があるため、緩和方向だった政策を転換する。

半年に1回金融政策を見直すMASは2019年10月と20年3月に金融緩和に踏み切り、その後も2回連続で緩和的な政策を維持していた。14日の声明では「需要の正常化と供給不足によって国内外で物価上昇の圧力が蓄積している」と、政策転換の理由を説明した。MASの金融引き締めは18年10月以来、3年ぶりとなる。

MASは政策金利を変更する代わりに、自国通貨の名目実効為替レートの誘導目標を定める金融政策を採用している。今回は為替レートの誘導手段のうち「傾き」をやや上昇方向に調整し、金融引き締めに踏みきる。

MASが金融政策を転換するのは、新型コロナウイルスのワクチン接種完了率が8割を超え、経済の正常化が進んでいるためだ。7~9月のGDPは製造業、サービス業がそれぞれ前年同期比で7.5%増、5.5%増となり、全体でも3四半期連続のプラスとなった。21年通年でも6~7%の経済成長率を達成する見通しで、22年も堅調な成長が見込まれている。

一方、資源価格の上昇やサプライチェーン(供給網)の寸断によって、世界的にインフレ圧力が高まっている。国内の物価上昇率は21年から22年にかけて2%前後と急激なインフレは見込まれていないものの、MASは中期的な物価安定を重視し、早めに引き締めに転じることにした。

8月に韓国、今月6日にニュージーランドが利上げに踏み切るなど、アジア太平洋地域では金融引き締めの動きが続いている。東南アジアでは新型コロナウイルスの感染拡大がピークを脱しつつあり、今後は他の中央銀行も緩和方向の金融政策からの転換を模索する可能性がある。

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