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配車大手グラブ、過去最大のSPAC上場へ 評価額4.3兆円

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グラブはSPACを通じた米国上場によって、成長加速を目指す=ロイター

【シンガポール=中野貴司】東南アジアの配車大手グラブは13日、特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて年内にも米ナスダック市場に上場すると発表した。企業価値の総額は396億ドル(約4兆3000億円)に上り、過去最大のSPAC上場となる。上場時に45億ドル規模の資金を調達し、料理・食品宅配や金融事業の成長を加速する。

グラブは米投資会社アルティメーター・キャピタルのSPACと合併する。株主総会での決議など手続きが完了し、上場が完了するのは数カ月後となる見通しだ。SPACとの合併に際して、米資産運用大手のブラックロックや、フィデリティ・インターナショナル、シンガポールの政府系ファンド、テマセク・ホールディングスなどの有力投資家が資金を拠出する。

グラブは2012年に米ハーバード大経営大学院出身のアンソニー・タン氏とタン・フイリン氏がマレーシアで共同創業した。東南アジア8カ国の400を超える都市で配車事業を展開するほか、料理・食事の宅配や決済などの金融事業も域内で急拡大している。

グラブが13日に開示した資料によると、2020年の売上高は16億ドルと新型コロナウイルスの感染拡大下にもかかわらず、19年から6割増加した。上場時の巨額の資金調達によって、成長を加速し、3年後の23年には売上高を20年の2.8倍の45億ドルに引き上げる計画だ。ただ、先行投資が続き、20年も27億ドルの最終赤字だった。グラブは23年にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)で黒字転換する計画を掲げる。

SPACは事業をもたない「空箱」とも言える特別目的会社で、運営者が買収先を探す。買収先の企業にとっては、通常の新規株式公開(IPO)よりも上場準備期間を短縮できる利点がある。グラブのような高成長のスタートアップにとっては、投資家の層が厚い米国市場での上場は、自国での上場よりも企業価値が高く評価されやすい。

部門別にみると、創業時の主力事業だった配車は既にEBITDAが黒字転換しており、足元では料理や食品の宅配や金融事業の収益拡大に注力している。米国市場に上場すれば、より機動的な資金調達が可能になるため、金融サービスの多角化などに資金を重点配分する見通しだ。

グラブが配車するトゥクトゥク(2019年、カンボジア・シェムリアップ)

グラブにはソフトバンクグループ傘下のソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資している。ソフトバンクグループはグラブの創業から間もない14年12月、まず2億5000万ドル(約270億円)を出資した。その後も16年から19年にかけて追加で出資し、グラブへの合計の投資額は約27億ドル(約3000億円)に上る。

出資比率は非公表だが、米料理宅配大手ドアダッシュ、韓国のネット通販大手のクーパンなど、ビジョン・ファンドの出資先の新規株式公開(IPO)が含み益を押し上げている。グラブには三菱UFJフィナンシャル・グループトヨタ自動車も出資している。

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