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中国、対米の輸出入額最大 相互依存強まる

焦点はハイテク・人権に

【北京=川手伊織、ワシントン=鳳山太成】中国税関総署が14日発表した貿易統計によると、2021年の対米貿易総額は過去最大となった。輸出入ともに前年より3割増えた。中国の黒字拡大など通商摩擦は解消していないが、貿易での相互依存はむしろ強まっている。今後はハイテク分野や人権問題をめぐる対立が焦点となる。

対米貿易総額は前年比29%増の7556億ドル(約86兆円)で、3年ぶりに最大を更新した。20~21年はいずれも対米輸出の増加額が輸入の増加額を上回り、貿易黒字は拡大した。21年は25%増の3965億ドルと、過去最大を記録した。

輸出は米個人消費の回復でパソコンや玩具の出荷が好調だった。東南アジアなどで新型コロナウイルスの感染が再び広がり、サプライチェーン(供給網)が打撃を受けたことも供給元として中国への依存が強まった面もある。

輸入の拡大は資源高が一因だ。脱炭素に向けて、液化天然ガス(LNG)の調達を増やした。20年2月に発効した米中貿易協議の第1段階合意で、中国は米国から輸入するモノやサービスを20~21年に17年比で2000億ドル増やすと約束した。合意に基づき、工業製品の輸入も増えた。

それでも摩擦が消えたわけではない。中国が約束した輸入拡大の目標は未達に終わった公算が大きい。米ピーターソン国際経済研究所によると、21年11月までの中国のモノの対米輸入(購入拡大の対象品目ベース)は目標の6割どまりだ。

中国人民大学は21年12月に公表した研究リポートで「米国が仕掛けた貿易戦争は失敗に終わった」と指摘したが、中国側にも打撃はある。

米商務省が最先端半導体の禁輸措置を厳格化したため、華為技術(ファーウェイ)はスマートフォンの生産が落ち込んだ。21年12月期の売上高は前の期より3割減った。米国もハイテク制裁を緩めるそぶりは見せない。

「(22年は)第1段階合意に基づいて中国が義務を果たしているかどうかに焦点をあてる」。米通商代表部(USTR)のタイ代表は1日のビデオ演説でこう述べた。知的財産権の侵害停止や金融市場の開放を引き続き求めていく考えだ。

USTRは21年10月に中国との貿易交渉を再開したが、新たな協定を結んだり制裁関税を見直したりするかなど今後の方針を決めていない。中国に圧力を強めるため、同盟国とどこまで足並みがそろうかを踏まえて判断する構えだ。

米欧は人権問題での対中批判で歩調を合わせる。ハイテク分野などの経済安全保障や人権といった新たな焦点が、米中両国の通商政策に大きな影響を与えそうだ。

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