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北朝鮮、核増強路線へ回帰 党大会が閉幕

12日の朝鮮労働党大会に出席した金正恩総書記=朝鮮中央通信・朝鮮通信

【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の第8回朝鮮労働党大会が12日に閉幕した。党総書記に就いた金正恩(キム・ジョンウン)氏は、核を増強する路線に回帰する方針を明確にした。米国に強硬姿勢を示しながら、中国とは友好関係を維持する。ミサイル発射実験を再開すれば、日本の安全保障には大きな脅威となる。

「総書記の重責に、重たい心を禁じ得ない。使命感を自覚し決死奮闘を厳粛に宣誓する」。党大会最終日の12日、金正恩氏は演説で厳しい表情を変えなかった。米国の政権交代で生き残り戦略は修正を迫られた。8日間にわたる党大会は1970年に次ぐ過去2番目の長さだ。

大会中、金正恩氏は何度も核戦力の強化に言及した。射程が短い戦術核の開発は、米軍基地を持つ日本や韓国が標的となる。

完成を急ぐ複数種の短距離ミサイルに搭載できるよう、核弾頭の小型化、軽量化に向けた実験を繰り返す可能性が高い。韓国には3月の米韓合同軍事演習の中止を求めており、挑発を強める契機となり得る。

対米外交は強硬姿勢にかじを切った。経済制裁を解除させ、核保有国として生き延びることが北朝鮮の最終目標だ。20日に発足するバイデン新政権が、対北朝鮮政策を固めるには一定の時間がかかる。その間に米国や同盟国に脅威と映る軍事力を、最大限向上させる狙いのようだ。

貿易の9割を依存する中国とは良好な関係を維持する方針だ。総書記就任を祝う習近平(シー・ジンピン)国家主席の電報を11日に受け取ると、翌12日には「最初に祝電を送ってきたことに私と党員は皆、深く感動しました」と返電した。

韓国には早くも厳しい態度で臨んでいる。正恩氏の妹の金与正(キム・ヨジョン)氏は12日付の談話で、韓国を「特等のばか」と罵った。韓国軍が11日に「北朝鮮が昨夜、軍事パレードを実施した動きを捕捉した」と発表し、警戒を示したのが理由だ。

金与正氏は引き続き、対韓国工作を担っているとみられる。ただ指導部の中核である政治局からは外れ、肩書も党第1副部長から副部長へと降格したことが分かった。

苦境の経済は当面、国境閉鎖を前提にした対応を迫られる。国連制裁が続き、新型コロナウイルス対策で中国との境界は厳重に封鎖されているからだ。金正恩氏は12日の演説で「国の統一的な指揮と管理の下、経済を動かす体系と秩序を復元させる」と述べ、計画経済の強化を指示した。

新たな経済発展5カ年計画は自力更生と自給自足を基本理念としている。輸出が禁じられている鉱物資源を活用し、エネルギーや資材の自力調達を進める方針だ。

党大会に続き、17日には国会に相当する最高人民会議を開き、法令や予算を討議する。

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