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香港長官選、李氏が過半数の推薦 国家安全条例に意欲

【香港=木原雄士】香港政府前政務官の李家超(ジョン・リー)氏は13日、5月の行政長官選挙への立候補を届け出た。投票権を持つ約1500人の選挙委員の過半数となる786人の推薦人を得て、当選が確実な情勢だ。候補者1人の信任投票となり、選挙の形骸化が一段と進む。

行政長官選は親中派がほぼ独占する選挙委員だけが投票できる。李氏は立候補に必要な188人を大きく上回る選挙委員の推薦人を確保した。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が李氏への支持を親中派に伝え、李氏の推薦人になりたいと希望する委員が相次いだ。

候補者が1人の場合は、5月8日に信任投票となり、750人超の支持で当選が決まる。推薦人だけで過半数に達しており、当選は確実だ。警察出身の李氏は民主派やメディアを厳しく取り締まり、習指導部に評価されてきた。7月の長官就任後、政治活動や言論への統制が一段と強まる可能性がある。

李氏は12日、香港基本法で制定が義務付けられている国家安全条例について「優先課題の一つだ」と明言した。同条例は香港市民の反対で長年制定されず、中国が2020年に香港立法会(議会)を通さずに、香港国家安全維持法(国安法)を施行した経緯がある。

香港政府は国家機密の窃取など国安法より幅広く取り締まる条例案を準備しており、近く立法化に向けた手続きを始める見通しだ。立法会は親中派がほぼ独占しており、提出されれば早期成立が確実だ。

李氏は治安対策の責任者として、香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)を取り締まり、廃刊に追い込んだ。政府や警察に批判的な報道機関を規制する「偽ニュース」対策の必要性に言及しており、立法化を進める可能性がある。

経済都市・香港の行政長官は企業経営者や官僚出身者が就いてきた。警察のインテリジェンス部門で頭角を現し、デモの制圧で評価された李氏は金融や福祉行政の経験がほぼない。習指導部は香港の経済よりも国家安全上のリスク封じを重視していると受け止められている。

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