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英・EU、FTA交渉さらに継続 両首脳が合意

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ジョンソン英首相との電話協議後に声明を発表するフォンデアライエン欧州委員長(13日、ブリュッセル)=ロイター

【ロンドン=中島裕介、ブリュッセル=竹内康雄】英国のジョンソン首相と欧州連合(EU)のフォンデアライエン委員長は13日の電話協議で、英国とEUの自由貿易協定(FTA)など将来関係を巡る交渉をさらに継続することで合意した。9日の両首脳の協議で13日を最終期限としていたが、ぎりぎりまで合意への努力を続ける必要があると判断した。新しい交渉期限は示していない。

英国がEU加盟国とほぼ同等に扱われる「移行期間」は12月末で終わる。月内に英・EUが将来関係を巡る交渉で合意して条約が批准されないと、関税が上がったり、物流の停滞が深刻化するなど経済面で悪影響が出るのは確実だ。タイムリミットが迫るなか、英・EUは交渉を続ける決断をしたものの意見の対立はなお続いており、混乱が避けられるかは見通せない。

電話協議後に公表された両首脳による共同声明では、ほぼ1年間交渉をし、複数回にわたって交渉期限が延ばされているなかで「我々はこの時点でもう一歩努力する責任があると考えた」と延長の理由を説明した。両首脳は首席交渉官に協議を続け、合意に達することができるか見極めるよう指示した。

ジョンソン氏は電話協議後に英メディアの取材に応じ、FTAなしの結果となる可能性が最も高いと述べたうえで「我々はそれに準備をする必要がある」と改めて強調した。「英国はEUの規制の中に閉じ込められることなどできない。(英海域の)漁業権の管理も取り戻す必要がある」と指摘。これまでの対立点で「まだ大きな開きがある」と説明した。

大きな対立点は「英海域でのEU漁船の漁業権」と「公正な競争環境の確保」「紛争解決などのガバナンス」の3分野だ。「交渉に進展の兆しがある」と報じる欧州メディアもあるが、対立が完全に解消されているわけではない。ジョンソン氏は「相手が望めば、合意はなされると思う」とEU側の妥協を促したが、EUではフランスなどから過剰な譲歩をけん制する動きは強い。

新しい交渉期限は示されなかったが、時間は限られている。アイルランドのコーブニー外相は13日の地元テレビで合意は可能との見解を示した上で「交渉は数日以内に完了させる必要がある」と語った。

双方が政治的に合意しても、条約の形にしてそれぞれ議会で批准する必要があるため、実際には12月末まで交渉を続けられるわけではない。一般に欧州ではクリスマス以降は休暇に入る。EUのバルニエ首席交渉官と英国のフロスト首席交渉官が最終局面で打開点を見いだすために、ブリュッセルで交渉を続ける。

考えられる選択肢は①12月中の合意②合意断念③移行期間を延長して交渉を続行――の3つだ。ジョンソン氏はこの問題でEU主要国の首脳に個別協議を持ちかけたが、実現していない。残された時間は刻々と減っている。

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