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トランプ政権のインド太平洋戦略、台湾防衛など明記

2020年7月、南シナ海を航行する米空母ロナルド・レーガン(手前)=米海軍提供・AP

【シドニー=松本史、北京=羽田野主】米政府は12日、トランプ政権のインド太平洋戦略に関する内部文書を公表した。同地域で台頭する中国を強く警戒し、九州・沖縄から台湾、フィリピンを結ぶ「第1列島線」の中国側に位置する国や地域を防衛すると明記した。

この文書は「インド太平洋における米国の戦略的枠組み」のタイトルで、2018年2月にトランプ政権が承認し、公表に先立ち機密解除された。米国にとってのインド太平洋地域での課題や、取り組むべき事項が列記されている。

文書では、中国が同地域で米国の同盟関係などの解消を狙っていると指摘、台湾に関しても「中国は統一を強要するため、より強い手段をとるだろう」との見方を示した。そのうえで「中国が米国や米国の同盟国、友好国に対して武力行使することを抑止する」ために、①紛争時、中国に第1列島線内の制空・制海権を与えない②台湾を含めた第1列島線に位置する国や地域を防衛する③第1列島線外でのすべての領域で支配力を維持する――などを可能とする防衛戦略を考案、実行するとした。

中国は第1列島線内の東・南シナ海から米軍を追い出し、さらに小笠原諸島やグアムを結ぶ「第2列島線」内の西太平洋にも近づけさせない「接近阻止・領域拒否」戦略をとる。米国は地域で自国の優位性が揺らぐ中、こうした中国の姿勢を警戒し対抗策を講じる姿勢を打ち出した形だ。

文書では米国のインド太平洋戦略に関して日本やオーストラリア、インドと緊密に協力、日豪との関係深化に取り組むことも記した。日本が「インド太平洋地域の安全保障構造の中心となる」よう助力するとした。

インドに関しても安全保障の担い手としての能力を促進することを目指す。防衛協力に向けたより強固な土台を築くとともに、「外交、軍事、情報機関のルートを通じて支援を提供し、中国との国境を巡る議論など大陸の課題への対応を手助けする」と明記した。

また、対北朝鮮では金正恩(キム・ジョンウン)氏をトップとする体制に「生き残るためには核の放棄しか道はないと納得させる」ことを目標と記した。そのための方策として経済、外交、軍事、情報機関などの手段を使い平壌への圧力を最大化し、「核やミサイル計画を破棄させることを目的とした交渉への条件を整備する」ことを挙げた。

豪公共放送ABCは今回の内部文書の機密解除について「通常よりも30年早い」と指摘する。20日の政権交代を目前にした公表の背景には、米国のインド太平洋地域での戦略を明確にし、バイデン次期政権に継承させたいという関係者の思惑があるとの見方も出ている。

中国外務省の趙立堅副報道局長は13日の記者会見で「米国こそ地域の平和と安定の破壊者であることを暴露してしまった」と主張した。台湾を巡っても「中国は断固として国家の主権と完全な領土を守る。米国のいかなるたくらみもむだなことだ」と強調した。

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