豪カンタス航空、7~12月期1200億円の黒字に転換

【シドニー=松本史】オーストラリアの航空最大手カンタス航空は13日、2022年7~12月期上半期の税引き前利益が12億~13億豪ドル(約1100億~1200億円)になりそうだと発表した。前年同期は12億7000万豪ドルの赤字だった。新型コロナウイルス禍を経て足元で旅行需要が回復し、国内線の収入はコロナ前を超えて推移する。
半期ベースで税引き前損益が黒字となるのは、19年7~12月期以来6半期ぶり。アラン・ジョイス最高経営責任者(CEO)は「非常に困難な時期だったが、きょうの(黒字転換の)発表は我々がどれだけ前進したかを示している」と述べた。
足元では国内線が好調だ。ビジネス需要はコロナ前を超え、レジャー客はさらに伸びている。国際線の輸送能力は22年7~12月期にコロナ前の61%、23年1~6月期は同77%を見込む。
燃料費の高騰に加え、高止まりするインフレ率や利上げによる住宅ローン負担の増加を受け、消費低迷リスクなど先行きには不透明感も漂う。カンタスは「堅調な需要は、消費者が旅行への支出を優先していることを示している」と強調した。
豪州では22年前半、旅行需要が回復する中で航空会社従業員のコロナ感染による欠勤が相次ぎ人手不足が顕在化した。これが離陸時間の遅れなどの混乱につながった。カンタスは23年6月までに2億豪ドルを投資し、余剰人員の配置や新入社員の訓練を行うとした。
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