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中国資金需要再び落ち込み、7月3割減 企業に先行き不安

【北京=川手伊織】中国で企業や家計の資金需要が再び落ち込んでいる。7月の新規調達額は前年同月を30%下回った。上海市のロックダウン(都市封鎖)解除で6月に持ち直した中長期資金の銀行融資は再び減少に転じた。先行き不安を拭えない製造業が設備投資に慎重なほか、マンション市場の混乱をうけ購入をためらう人が多く、住宅ローンも伸び悩んだ。

中国人民銀行(中央銀行)によると、社会全体が7月、銀行や市場から新たに調達した資金(社会融資規模)は7561億元(約15兆円)だった。2割増を見込んでいた市場予想に反して3割減った。

このうち、政府が債券を発行して調達した額は全体の53%を占めた。5割を超すのは遡れる2017年以降で初めてだ。対照的に、民間による資金調達の動きは鈍い。

人民元建て融資の純増額は前年同月より37%少なかった。なかでも中長期資金の落ち込みが目立った。設備投資に充てる資金など企業向け融資は30%減で、6月の73%増から減少に転じた。住宅ローンが大半を占める個人向け融資は63%減となり、マイナス幅が拡大した。

製造業の景況感悪化が資金需要の回復を阻んでいる。中国国家統計局がまとめた7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0と、6月より1.2ポイント下がった。好調・不調の節目である50を2カ月ぶりに下回った。新型コロナウイルスの感染が一部地域で再拡大したことも重なり、先行きへの不安を抱く企業が設備投資を様子見している姿勢がうかがえる。

住宅市場の混乱も背景にある。政府の規制強化で不動産開発企業が資金不足に陥り、工事が止まる物件が相次いでいる。家主が物件引き渡しの遅れに抗議して住宅ローンの返済を拒否する動きが7月に広がった。工事の再開など混乱が収まるまで購入を見合わせる人が増え、新規の住宅ローンも伸び悩んだ。

市場では、人民銀行が事実上の政策金利と位置づける最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を引き下げるとの観測がくすぶる。中国の証券会社、浙商証券の李超チーフエコノミストは中長期資金の需要が落ち込んだことに着目し「期間5年超のLPRを再び引き下げる可能性がある」と指摘する。

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