中国当局、百度など12社に罰金 独禁法違反で830万円

【上海=松田直樹】中国の規制当局は12日、過去のM&A(合併・買収)の際に当局への申請がなく、独占禁止法違反にあたるとして、騰訊控股(テンセント)や百度(バイドゥ)など12社に罰金を科す決定を出した。当局は大手ネット企業への独占行為に関する処分を相次いで公表しており圧力を強めている。
独禁法などを管轄する国家市場監督管理総局によると、12社にそれぞれ罰金50万元(約830万円)を科した。テンセントは2018年にオンライン教育の猿輔導に約16億元を出資したが、買収の詳細な内容について当局に申請していなかったという。百度も20年に人工知能(AI)企業の株式を5割超取得したが届け出を怠ったとしている。
中国配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)の子会社とソフトバンクも18年に日本で合弁会社をつくったが、当局への申請をしていなかった。このほか、アリババ集団傘下の百貨店大手、銀泰商業集団なども対象となった。
中国の独禁法では企業がM&Aをしたり、合弁会社を設立したりする際に届け出が必要だ。当局はこれまでは届け出がなくても問題視してこなかったが、ネット企業への規制圧力を強めるなかで方針を転換した。
このほか最近は、ネット通販大手の拼多多(ピンドゥオドゥオ)や出前アプリの美団などに対し、不正に価格を操作したとして罰金処分を出した。20年12月には独禁法違反での立件を視野にアリババへの調査を始めている。
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