中国、9月の輸出28%増 米国向けなど拡大

【北京=川手伊織】中国税関総署が13日発表した2021年9月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比28.1%増の3057億ドル(約34兆円)だった。増加率は市場予測に反して8月(25.6%)より拡大した。最大の輸出相手先である米国をはじめ主要国向けの出荷額が拡大した。
輸入は17.6%増の2389億ドルだった。輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は667億ドルで、2カ月連続で前年同月を上回った。新型コロナウイルスがまん延する前の19年9月と比べると、輸出入は3~4割上回った。

輸出を品目別に見ると、パソコンは前年同月比15%増で、4カ月連続のプラスとなった。労働集約的な産業の玩具は4割、衣類は1割それぞれ増え、いずれも8月から伸びが拡大した。一方、主要国でのワクチン接種の広がりなどをうけ、マスクなど織物は6カ月連続で減少した。
地域別に見ると、全体の2割近くを占める米国向けが3割の大幅増となった。東南アジア諸国連合(ASEAN)とともに、8月より伸びが拡大した。
輸入は資源価格の上昇が全体を押し上げた。天然ガスが2.3倍に膨らみ、鉄鉱石が4割、原油が3割それぞれ増えた。ただ数量ベースでみると鉄鉱石と原油は減少しており、価格上昇で輸入量を抑えている可能性もある。最大の輸入品目である半導体が1割超増えた。