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世界の人口増1%割れ 戦後成長の支え、転機に

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世界人口の年間増加率が、統計を遡れる1950年以降で初めて1%を割り込み最低となったことが、国連が11日に発表した推計で明らかになった。人口規模が世界最大の中国も長年の「一人っ子政策」などが響いて2022年から人口減に転じ、23年にはインドと逆転する。人類史でも特異な20世紀の経済成長を支えてきた人口爆発は近く終わりを迎える。

国連は19年以来、3年ぶりに世界の人口推計を改定した。世界的な少子高齢化や新型コロナウイルスの影響で、世界人口の増加率は20年に初めて1%を割り込み、22年は0.83%まで落ち込んだ。1%割れが明らかになったのは今回が初めて。

産業革命を経て世界人口は1900年の16.5億人から100年間で約4倍に急増し、20世紀の繁栄の基盤となった。2022年11月15日に80億人に達すると国連は予測するが、2086年に104億人でピークを迎えるとみる。前回推計ではピークは2100年の109億人としていたが、大幅に前倒しした。

これまでは主要な働き手である生産年齢人口(15~64歳)の比率が高い「人口ボーナス」が経済成長の重要な源泉だったが、急速な少子高齢化で好循環は幕を下ろそうとしている。

その象徴が中国だ。14億人という世界最大の市場はグローバル経済の需要を生み出してきた。ただ2022年7月1日時点の人口は前年より6000人減った。

2019年の前回推計では32年から中国の人口が減り始めると見積もったが、10年前倒しとなった。50年時点で13億1200万人、2100年には7億6600万人に減る。それぞれ前回推計より9000万人、3億人下振れした。23年にはインドの人口が中国を抜いて世界最大となる。

中国の人口増加と急速な都市化は、01年の中国の世界貿易機関(WTO)加盟もあって、世界の経済成長を押し上げてきた。今後は都市に移り住む人も高齢化し、経済を押し上げる力は弱まる。

23年に中国を抜くインドも、63年の17億人弱でピークを迎える。その後、人口増が目立つのはアフリカくらいだ。ただインドやアフリカは産業育成や雇用拡大が人口増加に追いつかない恐れがあり、中国のような世界経済のけん引役となるのは期待しにくい。

今後は少ない働き手が多くの高齢者を支える「人口オーナス」という逆風下にある国が増え、これまでのような経済発展を続けるのは難しくなる。自動化や人工知能(AI)の活用などで生産性を高め、人口増に頼らない成長モデルを示した国が国際社会の新しい主役になる。

(北京=川手伊織)

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