/

中国・海航、再建案が焦点に 事業継続と債務整理を両立

海南航空の機体(2021年2月4日、中国湖南省)

【広州=比奈田悠佑】中国の複合企業、海航集団が巨額債務の整理を急いでいる。傘下の中核企業で航空準大手、海南航空が裁判所の管理下で債権者と更生計画を協議することが決まった。今後は債務返済と事業継続を両立させる再建スキームが焦点となるが、新型コロナウイルス流行による旅客需要の低迷で、先行きは依然不透明だ。

海航傘下の海南航空は12日までに、債権者による同グループへの再建型の倒産手続きの申し立てが裁判所に受理されたと発表した。これに伴い、上海証券取引所は上場する海南航空について、19日から上場廃止の可能性が高い特別処理銘柄とし、取引を制限する。

今回、債権者が申し立てたのは「破産重整」と呼ばれ、会社を清算せず、企業活動を続けながら債務を返す手法だ。4月12日に第1回の債権者会議を開く予定で、具体的な再建計画が今後まとまる見通し。海航は直近の負債状況を明かしていないが、海南航空は今月9日、約1兆2千億円もの債務を海航などに移転すると発表している。

債務返済のカギは海南航空だ。2019年の旅客数は4千万人超で中国4位、世界でも20位。特に中国で長期的な需要拡大が期待される地方路線を多く持つ。

その一方で、足元の状況は苦しい。20年の純損益は580億~650億元(約9300億~1兆円)の赤字だったもよう。新型コロナによる旅客減の影響を強く受けた。このため、航空機や人員の削減、大手航空などからの資本注入といった再建策が取り沙汰される。

海航は1993年に運航を開始した航空事業を中心とする企業集団で、2010年代にドイツ銀行や米ホテル大手に出資して事業規模を急速に拡大した。ただ17年に中国当局が金融システムへの悪影響を懸念して、海外でのM&A(合併・買収)を積極展開してきた企業の監督を強化すると、借り入れに頼ったビジネスモデルは行き詰まった。

同様の手法で膨張し、当局の締め付けを受けた安邦保険集団は中国政府の管理下に入り、20年9月に解散を決定。大連万達集団(ワンダ・グループ)は大量の資産売却を余儀なくされた。

過去には大手造船会社などで、一度は破産重整を検討しながら、自力更生や外部による救済のメドが立たずに一般的な破産手続きをとった事例がある。海航の経営再建もなお薄氷の上だ。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

関連企業・業界

業界:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン