香港の枢機卿ら国安法違反容疑で逮捕 「外国勢力と結託」

【香港=木原雄士】香港警察の国家安全部門は11日、カトリック香港教区元司教の陳日君・枢機卿や歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏を香港国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕した。主要な香港メディアが報じた。デモ参加者を支援する基金の運営をめぐり、外国勢力と結託した疑いがもたれている。
報道によると、逮捕されたのは陳氏と何氏のほか、元立法会(議会)議員の呉靄儀氏と学者の許宝強氏。許氏は10日、香港国際空港でドイツに向けて出国する直前に逮捕された。4人は2019年の抗議活動で逮捕された若者らを支援する基金の運営に携わっていた。
陳氏は民主化運動の支持者として知られ、中国国内の宗教弾圧にも警鐘を鳴らしていた。英人権団体の香港ウオッチは逮捕を受けて「北京が香港で基本的権利や自由に対する取り締まりを強めている」と非難する声明を出した。
香港政府によると、3月末までに国安法違反容疑で175人が逮捕され、112人が起訴された。
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