ホンダ、中国で燃料電池車の走行実験 トラックで

【広州=川上尚志】ホンダは11日、水素で発電して動く燃料電池車(FCV)の走行実証実験を中国で始めたと発表した。提携先である中国国有自動車大手の東風汽車集団の商用車にホンダの燃料電池システムを搭載し、湖北省で2024年3月まで実施する。中国ではFCVの市場が拡大しており、商用車を軸に勝機を探る。
ホンダが米国で生産した燃料電池システムを搭載したトラック1台を使い、湖北省襄陽市にある国営テストコースで1月から走行実証実験を始めた。様々な条件における環境適合性や燃費性能、耐久性などを確認するという。
ホンダは現時点では中国で燃料電池システムを生産したり、乗用車で実験したりする具体的な計画はないという。
中国汽車工業会によると、22年1~11月の中国でのFCVの生産・販売台数はともに約3000台で、それぞれ前の年の同期に比べて2.5倍以上に増えた。中国政府は25年にFCVの保有台数を5万台とする目標を掲げている。
中国ではトヨタ自動車も清華大学系の企業と協力して商用車向けの燃料電池システムの生産と販売を21年から始めている。トヨタは22年末から数量限定で乗用車のFCV「ミライ」の輸入販売も手掛けている。