サムスン、折り畳みスマホ2機種発売 値下げで普及狙う

【ソウル=細川幸太郎】韓国サムスン電子は11日、画面を折り畳めるスマートフォンの新製品2機種を発表した。スマホを広げた時の画面サイズが7.6インチと6.7インチの2モデルで、現行モデル比でそれぞれ10%、28%値下げした。初代の折り畳みスマホ発売から2年がたち、普及を狙って価格帯を引き下げた。
横方向に画面を見開く「ギャラクシーZフォールド3」と、旧来型携帯電話(ガラケー)のように縦方向に開く「ギャラクシーZフリップ3」の2機種を発売する。米国での販売価格はそれぞれ1799.99ドル(約19万9000円)と999.99ドルとした。
米国や欧州、韓国で27日に発売し、販売エリアを広げる。日本では通信事業者と発売時期を協議する。
Zフォールド3は重さを271グラムと従来モデルから11グラム軽量化した。スマホとタブレット端末の機能を併せ持ち、パソコンのように複数アプリを同時起動できるように処理能力を高めた。

女性に人気のZフリップは7色を用意。現行モデルは3色展開だった。多彩な保護カバーも用意してファッション性を高めた。
サムスンは自社の有機ELパネルの技術を生かして2019年に初めて折り畳みスマホを発売した。中国の華為技術(ファーウェイ)なども追従したものの、端末価格がネックとなり販売台数は伸び悩んでいた。
発表資料で20年に220万台だった折り畳みスマホの出荷台数が25年には1億1720万台に急増するとの調査データを示した。スマホ部門トップの盧泰文(ノ・テムン)氏は「革新技術を集約したZシリーズで新たなカテゴリーを切り開く」と表明しており、競合の米アップルが持たない折り畳み型でシェア確保を狙う。