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中国、コロナ規制で野菜24%高 物流混乱・運送費高騰で

【北京=川手伊織】中国で新型コロナウイルスの感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」が、物価にも波及してきた。4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.1%上昇し、5カ月ぶりの伸びとなった。物流の混乱や運送費の高騰で野菜など食品が大きく値上がりしたためだ。雇用が悪化するなか必需品の価格が上昇し、家計は節約志向を強めている。

中国国家統計局が11日発表した。食品のうち、生鮮野菜は前年同月を24%上回った。伸び率は3月より7ポイント近く拡大した。生鮮果物や鶏卵、イモ類もそれぞれ12~14%値上がりした。

主因は、最大経済都市で物流の拠点でもある上海市の都市封鎖(ロックダウン)など厳しい行動制限だ。感染拡大を防ぐため、高速道路の出入り口を封鎖する動きが広がった。配送後の自宅隔離などを避けるため、感染エリアへの配送を嫌がるトラック運転手も多かったという。

サプライチェーン(供給網)が混乱したほか、燃料高の影響もある。ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに国際商品市況が高騰しており、ガソリンなど燃料価格は4月、28%上がった。

必需品の値上がりは家計の購買力を奪う。主要国の中央銀行が物価の趨勢を見極めるうえで重視する「食品とエネルギーを除くコア指数」の伸びは0.9%にとどまった。2021年6月以来の低さとなった。個人消費の弱さを映している。

同時に発表した4月の卸売物価指数(PPI)の上昇率は8.0%だった。石炭や石油・天然ガスが3月に続いて、5割前後上がった。

産業構造の川下に多い民間企業は過当競争のうえ、消費が弱く、コストの転嫁を進めにくい。就業者の8割が民間企業で働くだけに、収益の減少は雇用や所得の落ち込みを通じて、今後の消費に重くのしかかる。

ゼロコロナ規制がもたらす経済的打撃への懸念が、中国の学識経験者からも出てきた。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、北京大学の徐建国副教授は「22年に都市封鎖など新型コロナ規制を導入した地域の経済産出量は18兆元(約347兆円)に達し、湖北省武漢市を封鎖した20年の10倍以上に及ぶ」と指摘した。

そのうえで「22年の経済成長率が、政府目標の5.5%前後どころか、2.2%だった20年実績に届くかどうか疑問だ」と語った。

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