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中国企業、台湾TSMCや鴻海にワクチン1000万回分提供へ

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鴻海創業者の郭氏は中国との太いパイプを生かし、中国からのワクチン調達に強い意欲をみせていた=AP

【台北=中村裕】中国医薬品大手の上海復星医薬集団は11日、台湾積体電路製造(TSMC)と鴻海(ホンハイ)精密工業の創業者の郭台銘(テリー・ゴウ)氏が設立した慈善団体などに対し、計1000万回分の新型コロナウイルスのワクチンを販売する契約を結んだと発表した。契約金額は計3億5000万ドル(約385億円)。ワクチン不足が深刻な台湾に、中国企業が大量供給する形となる。

台湾はこれまで、関係の深い日本や米国から、各200万回分以上のワクチン提供を受けるなどして、計約700万回分のワクチンを確保していた。ただ今回、中国から入手するワクチンは、日米からの支援量を大きく上回るものとなる。

上海復星医薬が中華圏での独占販売の権利を持つ、独ビオンテックのワクチンが台湾に供給される。早ければ9月に台湾に到着し、TSMCが500万回分、鴻海と郭氏の慈善団体「永齢基金会」が500万回分のワクチンを受け取り、台湾当局に全量を無償提供する。ワクチン調達に伴い、TSMCは12日、約1億7500万ドルを負担すると発表し、鴻海も同日、基金会と計1億7500万ドルを負担すると表明した。

台湾ではワクチン不足が深刻で、全人口2360万人に対し、未だ接種率が15%にとどまる。蔡英文(ツァイ・インウェン)政権に対する批判も高まる状況にあった。

台湾のワクチン調達を巡っては、混乱を極めている。台湾当局は昨年から、独ビオンテックとの間でワクチンの大量調達の交渉を進めてきたが、今年1月に交渉が突如、中止されたという。

背景には、中国政府や、ビオンテックと販売契約を結ぶ上海復星医薬の動きがあったとされる。台湾の蔡英文総統も詳細は伏せるが、台湾のワクチン調達が進まない理由は「中国が介入しているためだ」として批判していた。

こうした中台の複雑な関係を受け、中国に太いパイプを持つ鴻海の郭氏らが動いた。新型コロナの感染拡大が続く状況下の6月中旬、郭氏らは台湾当局に代わって、上海復星医薬とワクチン調達交渉を直接進めたいとの意向を示し、台湾当局もそれを認める、異例の決定を下していた。郭氏らと、中国側との交渉の行方が注目されていた。

台湾の行政院(内閣)の報道官は12日、郭氏らに対し「献身的な姿勢と資金提供により重要な進展が見られ、感謝する」と述べた。

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