台湾最大野党の副主席が訪中 与党・民進党は反発

【台北=龍元秀明】台湾の最大野党・国民党の夏立言・副主席が10日、中国を訪問した。27日まで滞在し、中国在住の台湾人と意見交換する。ペロシ米下院議長の訪台をめぐり中国が圧力を強めるなか、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が率いる与党の民主進歩党(民進党)は「時期が悪い」として反発している。
国民党は今回の訪中がペロシ氏の訪台前に計画され「北京の訪問や中国高官との面会が目的ではない」と説明するが、中国の政府関係者などとの面会の有無が注目される。台湾では政権与党の民進党が対中強硬路線をとるのに対し、野党の国民党は比較的、中国に融和的な路線をとる。蔡氏は10日、「国際社会に誤ったメッセージを送る」と非難した。
国民党は朱立倫主席が6月、同党のトップとしては約5年半ぶりに訪米するなど、米国との関係強化にも動いていた。