現代自動車、EV開発投資4割増 5年で1・4兆円
【ソウル=細川幸太郎】韓国現代自動車は10日、今後5年間の電気自動車(EV)や燃料電池関連の開発投資を従来計画比4割増の14兆9000億ウォン(約1兆4000億円)に増額すると発表した。ガソリン車などの内燃機関向けを4兆5000億ウォン減らして増額分に充てる。世界的なEVシフトを受けて1年前に発表した計画を見直した。

毎年12月に開くIR(投資家向け広報)イベントで李元熙(イ・ウォンヒ)最高経営責任者(CEO)が明らかにした。李氏は「収益改善を進めるとともに中長期の投資を続けて成長基盤を固める」と語った。
現代自は航続距離が500キロメートルを超えるEVの共通駆動プラットフォームを開発し21年発売の新車から順次採用する。今後5年間で12車種を発売し、2025年に年間56万台の販売計画を持つ。高級車ブランド「ジェネシス」にも適用し、現在の韓国と米国市場だけでなく、中国や欧州でも同ブランドを展開する。
次世代電池とされる「全固体電池」について現代自は「当社主導で先行開発しており、同電池搭載車の量産を27年に始める」としている。同社は全固体電池の研究開発を進めるサムスンSDIやLG化学とも協業する。
燃料電池車(FCV)で培った水素燃料電池システムの外販にも注力する。自社ブランド「HTWO(エイチツー)」を新たに立ち上げて、自動車に限らず産業機械やパーソナル飛行体(PAV)などに向け30年までに70万基の燃料電池システムを販売する目標も打ち出した。