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文氏演説、米朝対話の再開要請へ 米韓首脳会談で

10日、演説を終え記者との質疑に臨む文大統領=聯合・ロイター

【ソウル=恩地洋介】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任から4年となった10日、大統領府で演説し任期終盤の国政課題に言及した。対外政策では南北融和の進展を挙げ、21日の米韓首脳会談で米朝対話の早期再開を要請する考えを示した。新型コロナウイルスのワクチン接種を急ぎ、今秋に集団免疫を獲得する目標も掲げた。

文氏の任期は2022年5月まで。次期大統領選は、それに先立つ同年3月に投開票される。

17年の政権発足以来、南北融和は最重要課題の一つだった。文氏は演説で「残りの任期1年は、未完の平和から不可逆的な平和へ向かう最後の機会だ」と述べ、北朝鮮に対話を呼びかけた。

外交を通じて完全な非核化をめざすとするバイデン政権の路線を「柔軟で漸進的、実用的なアプローチだ」と歓迎した。演説後の記者団との質疑では「韓米首脳会談で北朝鮮との対話の道が早く開けるよう緊密に協議する」と強調した。

北朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長は最近、韓国の脱北者団体が体制批判のビラをまいたことに「相応の行動を検討する」と反発した。文氏はこれを念頭に「南北関係に冷や水を浴びせることは望ましくない」と述べ、脱北者団体を法律に基づき捜査すべきだとの考えを示した。

北朝鮮にビラを飛ばす行為を禁じる法律は3月末に施行されたが、米議会には人権や表現の自由の侵害を懸念する声がある。

改善に意欲を示していた日韓関係には演説で触れなかった。4年間の成果を問う韓国記者の質問には「日本による19年の輸出規制は韓国の半導体産業を直撃したが、危機を脱しさらに発展することができた」と言及した。

経済政策を巡っては「11年ぶりとなる4%以上の経済成長を達成できるよう総力を挙げる」と語り、内需拡大へ積極的な財政出動をはかる考えを示した。

韓国銀行が発表した21年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比1.6%増え、コロナ流行前の水準に回復している。サムスン電子などグローバル企業による輸出と設備投資が伸びているためだが、コロナ禍で個人消費は低迷している。

新型コロナのワクチン接種に関しては「9月末までに、接種対象の国民全員に対する一次接種を終える」と述べた。当初予定していた11月より前に集団免疫を獲得できると説明した。10日時点では人口の7.2%に当たる360万人が1回目の接種を受けている。

文政権の最近の支持率は30%前後で、就任以降最低の水準で推移している。4月のソウル・釜山両市長選で革新系与党の候補が敗退した原因となった不動産高騰問題にも言及し「不動産投機を根絶し、不正行為を必ず一掃する」と強調した。

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