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ロシア系エンジ大手、ベトナムの石炭火力から撤退へ 

対ロ経済制裁で断念

【ハノイ=大西智也】ベトナム国営石油最大手、ペトロベトナムはロシアのエンジニアリング大手、パワー・マシンズ(PM)に対してベトナム南部の石炭火力発電所のEPC(設計・調達・建設)契約を解除する方向で調整に入った。ロシアによるウクライナ侵攻で欧米を中心にロシア企業への制裁が強化されており、事業の継続が困難になったため。

複数のベトナムメディアが報じた。事業主体のペトロベトナムグループはPM社が主導する共同事業体に契約を解除する提案をしたことを明らかにした。PM社は既に大半の事業を停止しているとみられ、このまま撤退する見通しだ。ペトロベトナムグループの担当者は「PM社は既に米国からの制裁対象であり、EPC契約を履行することはできない」と話す。

ペトロベトナムとPM社が主導する共同事業体は2014年にEPC契約を結んだ。契約金額は12億ドル(約1400億円)。建設を進めてきたロンフー第1火力発電所(南部ソクチャン省)は石炭が燃料で発電容量は合計120万キロワット。当時の契約によると、稼働予定は1号機が18年10月、2号機が19年2月だった。

当初は建設が進んでいたが、ロシアがウクライナ南部のクリミアを併合し、欧米などがロシアへの経済制裁に乗り出したことで状況が一変。18年にはPM社も米国の制裁対象企業になり、発電所の建設が思うように進まなくなっていた。現在の工事の進捗状況は77.6%。PM社は事業からの撤退を求めていたが、補償金の金額などで交渉が続いていた。

欧米など主要国は国際銀行間通信協会(SWIFT)からロシアの銀行を排除する動きに出ており、ロシア企業とのドルベースでの決済が当面難しくなる可能性が高まっている。ペトロベトナム側もPM社との契約を早期に解除した上で、新たな契約相手を選定する方向に傾いたとみられている。

ベトナムは同じ共産主義陣営だった旧ソ連との関係が今でも深い。南シナ海でロシアと原油生産の合弁プロジェクトを手掛けており、ロシアが開発した新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」も早い段階で調達に踏み切っている。

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