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韓国外交、日米重視に転換 北朝鮮へ警戒強く

5年ぶり保守政権

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【ソウル=恩地洋介】韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が10日に就任し、5年ぶりの保守政権が発足した。外交・安全保障政策は日米韓3カ国の連携を最重視する姿勢で、革新系の文在寅(ムン・ジェイン)政権とは軸が変わる。不安定な情勢が続く内政への配慮から、日本との早期の関係改善には踏み込みにくい面もありそうだ。

「北朝鮮が核開発を中断し実質的な非核化に転換するなら、北朝鮮経済を画期的に改善する大胆な計画を準備する」。尹氏が就任式の演説で唯一触れた対外政策は、北朝鮮についてだった。

尹政権は、過去数年でミサイルの技術力を高めた北朝鮮を、安全保障上の深刻な脅威だと受け止める。北朝鮮は4日と7日に弾道ミサイルを相次ぎ発射した。対外宣伝サイトは尹政権に対する非難を強めている。

韓国の情報当局は、北朝鮮が近く7回目の核実験に踏み切る可能性があると判断している。尹氏は4月、米紙のインタビューで北朝鮮を「主敵」と表現した。

日米韓の安保連携を唱えるのはこのためだ。尹氏は就任に先立ち、在韓米軍が司令部を置く平沢(ピョンテク)のハンフリーズ基地を訪れ米軍の将兵らを激励した。20日にはバイデン米大統領が訪韓し、早速首脳会談に臨む。

こうした姿勢は人事にも表れた。大統領室で外交の司令塔を担う国家安保室長の金聖翰(キム・ソンハン)氏と、外相に就く朴振(パク・ジン)氏はともに米国通で知られる。東京大への留学経験がある朴氏は日本語にも堪能だ。

5年間続いた文政権は南北融和を軸に外交を組み立てようとした。政権内に日本に詳しい人物が乏しく、一貫した対日政策をとれなかった。日本を「南北接近の妨害者」と位置づける見方も根強かった。

尹氏は大統領選で文政権の対中政策を「中国寄り」だと批判したが、実際には中国に現実的な配慮を見せる。大統領選では中国が嫌がる在韓米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)を追加配備すると主張したが、3日に発表した国政課題からは外した。

中国は就任式に王岐山(ワン・チーシャン)国家副主席を派遣した。副首相級の出席が多かった過去の例より格上げした。王氏は就任式後に尹氏と会い、習近平(シー・ジンピン)国家主席の親書を手渡したうえで「協力を強化し、敏感な問題を妥当に処理すること」を求めた。THAAD問題でクギを刺したとみられる。

韓国内政は波乱含みだ。接戦の大統領選を0・73ポイントの僅差で勝利した尹氏が、国民の高い支持を得ているとは言いがたい。韓国ギャラップが6日に公表した世論調査は、支持率(41%)が不支持率(48%)を下回った。

国会は議席の過半数を占める野党「共に民主党」が主導権を握る。同党が同意しておらず、首相候補の韓悳洙(ハン・ドクス)氏は就任のメドが立っていない。

6月1日には4年ぶりの統一地方選が投開票される。歴史問題を抱える日本に急接近し妥協したと映った場合、野党が攻撃材料に利用する可能性があるため、外交にも一定の慎重さが求められる状況だ。

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