台湾TSMC、売上高・純利益ともに過去最高 10~12月期

【台北=中村裕】半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)は12日、2022年10~12月期の売上高、純利益がともに四半期として過去最高を更新したと発表した。独占供給する米アップルの新型スマートフォン「iPhone14」向けの先端半導体を中心に出荷が伸びた。半導体市況の悪化が続くなか、好調な業績をどこまで維持できるかが、今後の焦点となる。
10~12月期の売上高は、前年同期比42.8%増の6255億台湾ドル(約2兆7000億円)、純利益は78%増の2959億台湾ドルだった。
22年12月期の通期でも、売上高、純利益ともに過去最高を更新した。売上高は前の期比42.6%増の2兆2638億台湾ドル(約9兆7500億円)、純利益は70.4%増の1兆165億台湾ドルだった。
TSMCの顧客の約7割は米国企業だ。アップルのほか、米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)や米エヌビディアなどが主力。スマホや高性能パソコン、サーバー向けの先端半導体の出荷が特に好調だった。
半導体業界全体では、20年以降続いた勢いは現在、完全に失われている。自動車向けなど一部を除けば、昨夏から各社は在庫調整期に入っている。