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中国原油、初の備蓄放出 資源高けん制

上海市にある貯蔵タンク=ロイター

【北京=川手伊織】中国の国家糧食・物資備蓄局は9日、初めて原油の国家備蓄を放出すると発表した。資源価格の高騰が素材や中間財の値上がりに波及し、企業収益を圧迫しているためだ。銅やアルミに続く放出で資源高をけん制するが、実際に価格上昇を抑え続けられるかは不透明だ。

市場では中国政府の発表を受けて、ひとまず原油の需給緩和につながるとの見方が浮上し、国際相場のニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物は9日終値が1バレル68.14ドルと前日比1.16ドル(1.7%)下げた。「原油まで備蓄を放出するのは予想外だった」(野村証券の大越龍文シニアエコノミスト)との受け止めが広がった。

中国は製油所や化学工場を集中合理化した企業を主な対象として、数回にわけて競売にかける。備蓄局は放出が国内需給の安定やエネルギー安全保障に役立つと強調したが、備蓄放出の規模や時期は示さなかった。

中国政府は資源高をうけ、7月以降3回にわたり銅、アルミ、亜鉛の国家備蓄を放出した。銅の価格は中国景気の減速感が強まり、上昇に一服感が出た。アルミは中国の電力不足や原料ボーキサイトの主産地である西アフリカ・ギニアの政変をうけ価格が高騰したままだ。

中国の卸売物価指数は8月、前年同月比9.5%上昇し、2008年8月以来13年ぶりの高い伸びとなった。中間財や素材にも価格上昇圧力が加わっているためだ。石油・石炭加工、鉄鋼、非鉄金属加工、化学原料などは前年同月の水準を2~4割上回り、7月と比べても上昇した。

生産コストの上昇は企業収益を圧迫している。8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は0.8%にとどまった。消費回復がもたつくなか、中小零細企業が多い川下では価格転嫁が遅れている。中国人民銀行(中央銀行)が3000億元(約5兆1000億円)の資金枠を設け、中小零細企業に低利での借り換えを促すなど、政府は資金繰り支援に注力している。

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