インドIT大手TCS、純利益1%増 クラウドなど堅調

【ムンバイ=花田亮輔】インドIT(情報技術)大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が9日発表した2022年10~12月期の連結決算は、純利益が13億1800万ドル(約1700億円)と前年同期に比べて1%増えた。クラウドやコンサルティング関連事業がけん引した。
売上高は8%増の70億7500万ドルだった。地域別では主力の北米が2桁増となり好調だった。欧州では英国の鉄道業界団体から乗客や運行データの統合プラットフォーム関連事業を受注したと11月に発表していた。顧客の事業別では小売り・消費財などが伸びたほか、金融・保険も堅調だった。
TCSのラジェシュ・ゴピナタン最高経営責任者(CEO)は「(当社の)長期的な成長見通しは引き続き強固だ」とコメントした。TCSは新型コロナウイルス禍を経て高まったデジタルトランスフォーメーション(DX)関連需要を取り込み、22年3月期には21年3月期比で2桁の増収増益を達成していた。
TCSはインドを代表する財閥、タタ・グループ傘下のIT企業で、22年には英調査会社カンターによるインドのブランド価値ランキングで1位となった。タタ・グループを率いるナタラジャン・チャンドラセカラン会長はかつて、TCSのCEOを務めた。
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