インドネシア、医療従事者に追加接種へ 米モデルナ製

【ジャカルタ=地曳航也】インドネシアのブディ保健相は9日の記者会見で、すでに新型コロナウイルスのワクチンを規定回数接種した医療従事者に米モデルナ製のワクチンを追加接種する方針を発表した。147万人を対象に来週にも始める。
インドネシア政府は1月から国民への無償接種を初めた。医療従事者は優先職種とし、すでに大半が接種を終えた。一方、足元では国内でインド型(デルタ型)が拡大し、感染した医療従事者が重症化したり死亡したりする例が相次ぐ。
医療従事者は主に中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製のワクチンを規定回数の2回接種したもようだ。政府はシノバック製がデルタ型に十分に対応できていないことを懸念し、米国などから供給されるモデルナ製の追加接種を決めた。ブディ氏は「既存の変異型に最大限の免疫を提供する」と強調した。
インドネシアのルトノ外相は2日、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と電話し、米国からモデルナ製のワクチン400万回分の供与を受けることで合意した。ブディ氏は同社製ワクチンが週内にも国内に届くとの見通しを示した。
これに関連し、アイルランガ調整相(経済担当)は記者会見で、3日からジャワ島とバリ島で強化した行動制限の対象地域をスマトラ島やカリマンタン島の一部などにも広げる方針を示した。

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