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伊勢丹、シンガポールの不動産売却「選択肢を検討」

伊勢丹はシンガポールの商業中心地の一等地にある商業ビル「ウィスマ・アトリア」の一部を所有する

【シンガポール=谷繭子】三越伊勢丹ホールディングスのシンガポール子会社、伊勢丹シンガポールは、同国の商業中心地、オーチャードロードにある商業ビル「ウィスマ・アトリア」の持ち分売却について、「選択肢を検討している」と10日までに明らかにした。同国では2020年10月に地場老舗百貨店のロビンソンズが廃業を決めるなど、小売業界が新型コロナウイルスの打撃を受けている。赤字が続く伊勢丹も手元資金が厳しくなっており、一等地の不動産を手放す可能性も出てきた。

ウィスマ・アトリアを巡っては同社株式の26%を伊勢丹シンガポール、残りをマレーシアのインフラ大手、YTLコーポレーション系の不動産投資信託(REIT)であるスターヒル・グローバルREITが保有する。伊勢丹シンガポールはシンガポール証券取引所への開示で、同不動産について「不動産仲介業者と価値査定官の指名」や「第三者との予備的交渉」をする可能性があると述べた。

市場では伊勢丹が重い腰を上げて資産売却の検討に入ったとみる向きが多く、配当期待から株価は上昇している。

伊勢丹は過去に同ビル内で百貨店を運営していたが15年に閉店し、約1万平方メートルを貸し出していた。地元紙は2018年末時点の伊勢丹の持ち分の評価額が約2億9千万シンガポールドル(約228億円)だったと報じているものの、コロナ下で価値は下がっているとみられる。売却交渉の相手などについて同社は「コメントできない」としているが、19年にスターヒルと売却交渉をしながら合意に至らなかった経緯があり、今回もスターヒルの動きに関心が強まっている。

20年6月上半期の決算はコロナの影響で売上高が3400万シンガポールドルと前年同期比で40%減り、最終損益は31万シンガポールドルの赤字だった。営業キャッシュフローも赤字に落ち込んだ。ただコロナ以前から百貨店不況で、同社は18~19年2期連続で赤字を出している。20年には西部ジュロン地区の百貨店を閉店し、同国の店舗数は4店となった。

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