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韓国大統領に尹錫悦氏 5年ぶり保守政権に

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【ソウル=恩地洋介】9日に投開票された韓国大統領選で10日、保守系野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補が当選した。2017年に革新系の文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足して以来、5年ぶりに保守勢力が政権の座を取り戻した。尹氏は悪化した日韓関係の改善に取り組む姿勢をみせている。新政権の外交は深まる米国と中国の対立にも影響を及ぼす。

尹氏の得票率は48.56%で、与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は47.83%。票差わずか24万7千票余りの大接戦だった。

尹氏は午前4時すぎ、党庁舎で「偉大な国民の勝利だ。競争が終わり、皆が力を合わせて国民と大韓民国のために一つにならなければならない」と勝利宣言した。李氏は記者会見し「最善を尽くしたが期待に応えられなかった。尹候補にお祝いを申し上げる」と敗北を認めた。

尹氏は21年3月まで検察総長を務めた。政治経験はないが、検察改革を進めた文政権の法相と激しく対立した経緯から「反・文政権」の象徴として、保守陣営の期待を集めた。約2カ月の政権移行期間を経て、5月10日に大統領に就任する。

尹氏は10日午前に国会で記者会見し、日韓関係に言及した。「過去よりは未来に向けて両国民の利益を見いだしていくことが大事だ。未来世代の若者がめざすべき点は何かに重きを置き、韓日関係を考えたい」と語った。

これに先立ち、バイデン米大統領と電話した。国民の力の発表によると、バイデン氏はミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対応を巡り「日米韓3カ国の緊密な調整が必要だ」と述べた。

尹氏の対外政策の軸は日米韓の安全保障協力だ。文政権が一時破棄しようとした日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も維持すると明言している。選挙戦中は就任後にまずバイデン米大統領と会談し、その次に岸田文雄首相と会う意向を示した。

「私は対日外交を国内政治に利用しない」と明言しており、歴史問題を含む懸案の「包括的解決」を唱えている。ただ、元徴用工問題は賠償を命じられた日本企業の資産現金化が迫る。日本政府は企業に実害が発生した時点で報復も辞さない方針で、対処を誤ればさらなる関係悪化を招きかねない。

選挙戦では政策論争よりもスキャンダル合戦にスポットが当たった。尹、李の両氏は接戦を展開したが、終盤戦に入った3月3日に尹氏と中道野党の安哲秀(アン・チョルス)氏が候補一本化で合意し、尹氏が優位に立った。

大統領選は、新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中で繰り広げられた。4、5両日の期日前投票は、感染者ら隔離対象者の投票済み用紙がずさんに扱われたことが問題となり、公正性に疑問の声が上がった。

9日の投票は一般の有権者と、コロナ感染者ら隔離対象者を時間帯で区別して実施された。投票所では一般投票を午後6時に締め切った後、午後7時半までを隔離対象者の投票時間とした。期日前投票を含む投票率は前回並みの77.1%(暫定値)だった。

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