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台湾の国防白書 中国「グレーゾーン作戦」の脅威指摘

(更新)

【台北=中村裕】台湾の国防部(国防省)は9日、2021年版の国防報告書(国防白書)を発表した。統一圧力を強める中国が情報戦など明確な武力攻撃でない手法で台湾に被害を与える「グレーゾーン作戦」の脅威を指摘したことが特徴だ。中国の武力侵攻を視野に、米国との連携強化も強調した。

白書の公表は隔年で、16年の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の就任後では3回目。前回の19年版との違いの一つは、台湾が地政学上の要衝だと強調した点だ。

インド太平洋地域の安全には、台湾の安全が欠かせないと論理を展開。国防部トップの邱国正・国防部長は白書で「中国がさらに軍事力を整備して実践的な演習を重ね、(中台を隔てる)台湾海峡の安全を将来、一段と著しく脅かすだろう」と警告した。

そのうえで、武力攻撃と判断するのが難しい侵害行為、いわゆる「グレーゾーン作戦」の脅威について、新たな項目を作り、解説した。

具体的には、20年9月16日から21年8月31日までの約1年間に、延べ554機の中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入した事実を指摘した。19年から21年8月までに台湾が14億回を超えるサイバー攻撃を受け、中国からの偽ニュースやメディア操作による情報戦や心理戦で、台湾社会が揺さぶられている実態も指摘した。

台湾の防衛能力の向上が欠かせないと明記。予備役の強化を新たに紹介した。

米軍とは19年9月から21年8月までの2年間で人材交流が大きく進んだと指摘した。

白書によると、台湾から米国へ2年間で延べ542人が訪問し、米国からも延べ618人が台湾を訪れた。米台の連携強化を浮き彫りにした。蔡総統は10月、米CNNに対し、米軍が台湾軍を訓練するため、台湾に駐留している事実を初めて公表していた。

国防予算の中台格差にも言及した。21年の台湾の国防予算は3618億台湾ドル(約1兆4700億円)で、1兆3553億元(約24兆円)の中国の約16分の1にすぎない。過去5年間の増加率は台湾(特別予算除く)は13%だったが、中国は30%だった。

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