香港長官選、李氏が出馬会見 支持表明相次ぐ

【香港=木原雄士】香港政府ナンバー2の政務官を辞任した李家超(ジョン・リー)氏は9日、記者会見を開き、5月の行政長官選挙に出馬すると正式に表明した。「香港への愛や国への忠誠、市民に対する責任を考え、立候補を決断した」と述べ、香港の競争力強化などの基本方針を掲げた。
李氏は選挙結果に影響力を持つ習近平(シー・ジンピン)指導部の後ろ盾を得て、当選が確実な情勢だ。香港経済界では李氏への支持表明が相次ぐ。大手不動産会社、新鴻基地産発展の郭炳聯主席は「李氏は豊富な経験があり、香港の国家発展への融合を主導できる」と指摘した。
警察出身の李氏は民主派の取り締まりを主導した強硬派として知られる。英国に亡命した活動家の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は李氏の出馬についてツイッターに「香港人にとって悪夢だ」と投稿した。
長官選は親中派が99%を占める約1500人の選挙委員だけが投票できる。「愛国者」以外の民主派は立候補できず、一般市民に投票権はない。