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習氏「台湾統一」強硬姿勢崩さず 中国包囲網を警戒も

【北京=羽田野主、台北=中村裕】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は9日、北京の人民大会堂で開いた辛亥革命110年記念大会で演説した。台湾問題を「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならない歴史的任務」と述べた。強国路線を堅持し、将来の統一に意欲と自信をみせた。

「台湾独立勢力は統一の最大の障害だ。祖国に背き国家を分裂させる者は、必ず人民に唾棄され歴史の審判を受ける」。習氏はこう力を込めた。

辛亥革命は1911年に起き、清朝を倒し、中華民国が建国された。習氏は、辛亥革命を指導し、中台双方で英雄視される孫文が「統一は中国国民の願いだ」と述べたことを引き合いに、統一の必要性を訴えた。

習氏は「台湾問題は中国の内政問題であり、いかなる干渉も許さない。国家主権と領土保全に関わる中国人民の断固とした意志と強大な能力を過小評価すべきではない」とも指摘した。台湾への関与を強め、対中包囲網を敷く米国を批判した。

共産党最高指導部の人事を決める5年に1度の党大会が2022年秋に迫っており、異例の3期目をうかがう習氏にとって台湾問題の扱いは敏感だ。中台統一の旗を高く掲げ、求心力を維持しようとする狙いがあるとみられる。

一方で、過去の台湾政策を巡る重要演説に比べると今回抑制した部分も見え隠れする。

習氏は2019年1月の演説で、台湾に向けて「武力の使用を放棄することを約束しない。一切の必要な措置を講じる選択肢を残している」と話し、台湾の「中国離れ」が進むきっかけをつくった。今回は武力行使を巡る発言は控えた。

共産党創立100年を巡る今年7月の演説では「台湾独立のたくらみを断固粉砕する」と主張したが、今回はなかった。

東大の松田康博教授は「強硬発言が飛び出すとの見方もあったが、少し肩すかしだった。中国に不利な状況を打開するために穏健なメッセージも含ませたのではないか」と分析する。

習氏の演説に対して、台湾の総統府は9日「中華民国(台湾)は、主権を有する独立国家で、中華人民共和国の一部ではない。国の未来は台湾の人々の手の中にある」とする声明を発表した。

台湾では10日、中華民国の建国記念日にあたる「双十節」の祝賀式典を開く。軍事パレードや、蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の演説が予定され、中国に対し、どこまで強いメッセージを送るかが注目される。

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