金正恩氏「米国は最大の敵」 党大会で報告
核兵器の高度化表明
【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が第8回朝鮮労働党大会で報告した内容の詳細を報じた。米国を「最大の主敵」と呼び、20日に発足するバイデン次期政権を念頭に「新たな関係樹立の鍵は対北朝鮮敵視政策だ」と強調。核兵器の小型・軽量化など高度な技術開発を推し進めると表明した。

金正恩氏が5~7日の活動総括報告で発言した。11月の米大統領選後、北朝鮮が対米関係について立場を明らかにするのは初めて。
金正恩氏は対外政策を巡り「最大の主敵である米国を制圧し、屈服させることに焦点を合わせるべきだ」と発言した。米新政権の発足に関し「誰が権力の座に就いても、米国の実体と対朝鮮政策の本心は絶対に変わらない」と指摘し、敵視政策の撤回を要求した。
核に関しては「戦術核兵器を開発し、超大型核弾頭の生産も持続的に推し進める」と強調した。米ワシントンを射程に収める1万5千㌔㍍圏内の戦略対象を正確に打撃できる能力開発を目標に掲げた。一方で「侵略的な敵対勢力が我々を狙って核を使用しようとしない限り、核兵器を乱用しない」とも主張した。
南北関係については「現時点で南朝鮮(韓国)当局に一方的に善意を示す必要がない」と語った。米韓合同軍事演習の継続や、韓国への最先端兵器の搬入に不快感を示し「我々の正当な要求に応えて北南合意を履行するために動き次第、相対する」と述べた。