インドIT大手TCS、4~6月純利益3割増 クラウド堅調

インドIT(情報技術)最大手のタタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)が8日発表した2021年4~6月期の連結決算は、純利益が12億2100万ドル(約1340億円)と前年同期に比べ32%増えた。新型コロナウイルスの影響が世界各地で続くなか、クラウドやサイバーセキュリティー関連の事業が堅調だった。
売上高は22%増の61億5400万ドルだった。20年4~6月期は新型コロナの感染拡大で業績不振に陥った顧客がIT関連の投資を見直したため苦戦を強いられたが、リモートワーク関連などの需要が高まり、徐々に持ち直していった。21年4~6月期は新型コロナ前の19年4~6月期と比べても増収増益だった。
地域別にみると、主力の北米を含めほとんどの地域で2ケタ増収を記録した。新型コロナの1日当たりの新規感染者数が5月に一時40万人を超えたインドも、21年1~3月期比では14%の減収だったものの、20年4~6月期比では25%の増収を確保した。
「多くの個人にとって困難だった四半期でも従業員が助け合い、顧客へのコミットメントを果たした」(ラジェシュ・ゴピナタン最高経営責任者=CEO)。顧客の業種別ではライフサイエンス・ヘルスケアや小売業関連の伸びが目立った。