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シンガポールとマレーシア、相互の隔離なし入国開始へ

【シンガポール=中野貴司】シンガポールとマレーシアは8日、新型コロナウイルスワクチンの接種完了を条件に、空路での隔離なしの入国を認める制度の運用を29日から始めると発表した。両国間の国際便は新型コロナの感染拡大前、世界で最も乗客の多い路線の一つだった。国境を越えた移動の再開が遅れていた東南アジア経済の正常化を象徴する出来事となる。

シンガポールのリー・シェンロン首相とマレーシアのイスマイルサブリ首相が8日、電話で協議し、合意した。

8日に会見したシンガポールのイスワラン運輸相によると、当初はシンガポールのチャンギ空港とクアラルンプール国際空港間で1日6便運航する。両国はマレーシア南部のジョホール州とシンガポール間の陸路での隔離なし入国制度も検討しており、リー氏は8日、フェイスブックに「近い将来、制度が始まるのを楽しみにしている」と投稿した。

英調査会社OAGによると、コロナ前の2019年のシンガポールとクアラルンプール間の国際便の総座席数は556万席と、香港・台湾間(796万席)に次いで多かった。コロナ前はビジネスマンが両国間を日常的に空路で行き来していた。

新型コロナの感染拡大後、隣国に住む家族に長期間会えていない両国の国民も多く、制度開始後は申し込みが殺到するのは確実だ。シンガポールのワクチン接種完了率は85%、マレーシアは75%と東南アジアの国の中で高く、両国は入国規制の緩和に踏み切る環境が整ったと判断した。

東南アジアではタイも1日から、63カ国・地域のワクチン接種完了者を対象に、隔離なしの入国を認める措置を始めている。東南アジアの多くの国は工場の稼働再開に伴って、製造業の輸出が回復していたが、観光業などサービス業の回復は遅れていた。隔離なし入国が本格化すれば、飲食やホテルなど幅広いサービス業の売上高や雇用の増加につながる。

シンガポール政府は8日、ワクチン接種を完了した家族同士に限り5人までのレストランでの外食を認めるなど、コロナ規制の緩和を発表した。米国で始まった5~11歳のコロナワクチンの接種についても、できるだけ早い時期の開始を目指すと説明している。ワクチン接種完了後に感染する「ブレークスルー感染」によって感染者は依然、高水準で推移しており、感染者の早期抑制と経済再開の両立を目指す。

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