比与党、大統領選候補にドゥテルテ氏側近 本人は固辞

【マニラ=志賀優一】フィリピンの与党PDPラバンは8日、2022年5月に実施される総選挙の候補者リストを公表した。大統領選の候補にはドゥテルテ大統領の最側近であるボン・ゴー上院議員を選んだ。ドゥテルテ氏自身は副大統領候補として選挙に臨み連携を図る構えだが、ゴー氏は大統領選出馬を固辞しており候補者は変更される可能性もある。
同日開かれた同党の会合で決めた。ゴー氏はドゥテルテ氏が南部ダバオ市長だった頃からの側近で、20年来の付き合いがある。同国では任期6年の大統領は再選が認められていない。22年5月には大統領選に加え副大統領選も直接選挙が予定されている。ドゥテルテ氏は副大統領選に出馬し、側近が大統領選に臨むことで次期政権でも権力を維持したい思惑があるとされる。
もっともゴー氏は大統領選への出馬を固辞している。さらにPDPラバン内ではボクシング界の英雄パッキャオ上院議員らの派閥がドゥテルテ氏などと対立しており、候補者の変更を要求する可能性もある。同党も候補者は「変更可能」とした。
同日、国家警察のトップを経験したラクソン上院議員が大統領選に出馬すると正式に表明した。立候補の申請を10月に控えており、各陣営の動きが激しくなってきた。