元慰安婦支援団体、前代表に罰金刑 韓国地裁

【ソウル=恩地洋介】韓国の元慰安婦を支援する市民団体の不正会計疑惑で、ソウル西部地裁は10日、無所属国会議員の尹美香(ユン・ミヒャン)前代表に罰金1500万ウォン(約155万円)の判決を言い渡した。団体が口座で保管していた資金の一部を個人的な用途に横領した罪を認めた。
検察は懲役5年を求刑していた。尹氏が韓国政府やソウル市の補助金を不正に受給したなどとする詐欺などの罪については、地裁は無罪と判断した。
尹氏は市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」の代表を務め、2020年に国会議員に当選した。慰安婦問題の最終解決をうたう15年の日韓合意の破棄を求める活動を展開し、文在寅(ムン・ジェイン)前政権の対日政策に影響を及ぼした。
尹氏を巡る疑惑は、旧日本軍の慰安婦だったと名乗り出た李容洙(イ・ヨンス)さんの訴えで明るみに出た。李さんが「慰安婦問題を30年間、利用してきた」と尹氏や正義連を批判し、検察は20年9月に尹氏を在宅起訴した。