/

蘇寧、消費者金融を66億円で売却 不採算事業を整理

【上海=松田直樹】中国の小売り大手、蘇寧易購集団は消費者金融事業を南京銀行に売却する。業績が低迷する蘇寧は、国有ファンドとアリババ集団が主導し、再建を進めている。拡大路線を続けた前経営陣のもとで不採算となった事業の整理を急ぎ、主力の小売事業の立て直しを急ぐ。

傘下の蘇寧消費金融の株式39%を南京銀行などに約3億6800万元(約66億円)で譲渡する。南京銀行はすでに蘇寧消費金融の株式を15%保有しており、5割超を握る筆頭株主となる。当局の承認を経て、正式に譲渡が決定する。

中国メディアによると、蘇寧消費金融は2015年に設立した。蘇寧は売却後も10%の株式を保有し、南京銀行と金融分野で長期的な提携関係を続けていくという。

家電量販店が祖業の蘇寧は19年に仏大手スーパー、カルフールの中国事業を買収するなど急成長してきた。16年にはイタリアの名門サッカークラブ、インテル・ミラノを買収し、世界的な知名度も高まった。だが、無謀ともいえる拡大戦略で業績は一気に悪化した。

21年7月には、創業家が保有する約4割の蘇寧株の半数近くを、江蘇省政府傘下の国有ファンドが立ち上げた基金に売却することを決めた。創業者である張近東氏も董事長から退いた。

蘇寧は1月、21年12月期の最終損益が423億~433億元の赤字になる見通しだと公表した。スーパー事業でのれんの減損や投資損失などを計上。前経営陣のもとで膨らんだ「負の遺産」の処理を急ぎ、金融事業にもメスが入った格好だ。

金融サービスの事業環境の悪化も影響したとみられる。アリババ傘下の金融会社アント・グループは20年11月に予定していた上場を当局の圧力で中止した。アリババなどのネット企業が金融サービスに相次ぎ進出し、存在感を高めてきたことを当局は問題視している。

アントに対しては、当局が消費者金融サービスを分割するよう求めたとの観測が出ている。ネット大手の関係者からは「今後、金融事業を続けていくのは困難だ」との声も漏れる。こうした当局の規制圧力も考慮し、蘇寧は消費者金融事業の売却に動いたとみられる。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン