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尹錫悦氏、保守人材を結集 中核は同級生と法曹界

韓国大統領選2022 候補者の人脈㊦

「党派を問わず、実力のある専門家を抜てきします」。5日、韓国の保守系野党「国民の力」の大統領候補に選ばれた尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長は、受諾演説でこう語った。

実は尹氏の陣営にはすでに、元官僚や司法関係者、現役国会議員ら300人近い各分野の専門家が殺到している。

韓国は時の大統領が政府の2万人近い幹部級人事を差配する国だ。5年目の文在寅(ムン・ジェイン)政権下で権力から遠ざかっていた保守系の人材が、政権交代をにらみ尹氏の下に集まった。

その中でも、政治経験のない尹氏が信頼を置くのは、幼なじみやソウル大学の同級生、同じ釜の飯を食った法曹界の人たちだという。

規模が膨れ上がった陣営を取り仕切るのは、幼なじみで国民の力所属議員の権性東(クォン・ソンドン)氏。権氏も検事出身だ。尹氏は7月の入党に先立ち、相談のため権氏の地元である江原道を訪れたことがある。

もし尹政権が誕生しても、総選挙まで少なくとも2年間は少数与党の国会が続く。政策の実現には、議員経験のない尹氏と国会の意思疎通が課題になる。今のところ尹氏を支える党所属の国会議員は、権氏ら李明博(イ・ミョンバク)元大統領系が中心だという。

外交・安全保障の政策ブレーンとして尹氏に近いのは、高麗大学の金聖翰(キム・ソンハン)教授だ。李明博政権下で第2外務次官を務め、米中対立下での文政権の姿勢には「等距離外交は米国、中国のどちらからも尊敬されない」と批判的な意見を持っている。

北朝鮮核問題に詳しい尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長の存在感も大きい。安全保障面で日米韓連携を重視する彼らの考え方は、尹錫悦氏の公約に反映されている。

日韓関係を巡って、新政権は元徴用工訴訟への対応に直面する公算が大きい。原告が差し押さえた日本企業の資産現金化が差し迫るなか、文政権は解決策を次期政権に持ち越す可能性が高い。

尹陣営には、日本研究の第一人者である朴喆熙(パク・チョルヒ)ソウル大教授が加わっており、対応策の検討や途切れた両政府間の人的パイプの復活へ助言する役割を担うとみられる。

尹氏は5日の演説で、経済政策に関しては成長による雇用の確保や中間層の復活を唱えた。公約はソウル大の金素英(キム・ソヨン)教授を中心に検討している。金教授は最低賃金の引き上げなどによる「所得主導成長」を唱えた文政権の政策を厳しく批判している。

最も影響力のある専門家グループは、司法修習生時代の同期や検察時代の部下、検事出身の弁護士ら法曹界人脈だとされる。

大統領選の主要2候補はそれぞれ疑惑を抱えている。尹氏には検察総長時代の職権乱用疑惑などが浮上し、高位公職者犯罪捜査処が捜査を進めている。与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は、検察が市長時代の都市開発に絡む問題を捜査中だ。

スキャンダル合戦に陥った大統領選で、陣営の法的な対応や情報収集力は選挙戦を左右する重要な要素になっている。(ソウル=恩地洋介)

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