/

台湾、衰えぬ対中国輸出 5月38.6%増で過去最高

台湾からの中国向け輸出は、半導体を中心に過去最高水準にある=長栄海運提供

【台北=中村裕】台湾の財政部(財政省)は8日、5月の輸出額が前年同月比38.6%増の約374億ドル(約4兆1000億円)だったと発表した。単月として過去最高の輸出額となった。最大輸出先の中国大陸(香港含む)向けが30%増の156億ドルとなり、全体の42%を占めた。

台湾の輸出額が前年同月の実績を上回るのは11カ月連続。昨秋から過去最高水準の輸出が続く。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、61億ドルの黒字だった。

財政部の蔡美娜・統計処長は8日の記者会見で、好調な輸出について「世界景気の回復に加え、引き続き新型コロナウイルスの影響で(パソコン関連など)在宅需要が旺盛だった」と語った。

輸出の内訳をみると、半導体が依然として好調で全体の32%を占め、30%増の119億ドルだった。特に台湾企業の半導体は、小米(シャオミ)など中国大手のスマートフォンメーカー向けに出荷が多い。高速通信規格「5G」対応のスマホの普及期でもあり、好調さが際立った。中国にとって半導体は最大の輸入品目でもあり、特に台湾企業への依存度が高い。

台湾からの中国向けの輸出は20年、過去最高の1514億ドル(約17兆円)と輸出全体の44%を占めた。台湾の蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が2016年に就任して以降で最高を記録しており、中国が台湾への統一圧力を強めるなかでも、相互依存を高めている。

一方で、5月の米国向け輸出は27%増の54億ドル。中国向けに比べると、3分の1程度の金額にとどまった。

台湾は、統一圧力を強める中国から経済的な依存度を下げるため、蔡政権発足以降は米国との関係強化を狙ってきた。だが、実現できない状況が続いている。

米台間には、もともと投資や貿易など幅広い経済問題を協議する枠組み「貿易投資枠組み協定(TIFA)」があった。だが、台湾が米国産の豚肉の輸入を認めないなどの理由で、交渉は16年から中断されていた。

ただ、ここに来て変化の兆しもみえ始めている。台湾が今年1月から、長年の懸案だった米国産豚肉の輸入を大幅解禁したためとみられる。

ブリンケン米国務長官は、7日の下院外交委員会で、台湾と中断していたTIFAの協議再開の可能性を示唆した。同氏は「台湾と近く話し合いを行う見通しだ」と述べた。TIFAは、自由貿易協定(FTA)交渉を始めるために、米国が取る手順の一つに位置づけられる。

TIFAの協議が米国と久々に再開できれば、膠着した段階からは一歩前進する。台湾の外交部は8日、「(TIFA)協議の再開を引き続き推進する」とコメントした。ただ、米台が関連の協議を進めれば、中国が強く反発するのは必至だ。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン