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韓国大統領選、野党に「分裂リスク」 候補一本化が焦点

【ソウル=恩地洋介】投開票まで2カ月を切った韓国大統領選は、与野党一騎打ちの構図が崩れつつある。保守系最大野党の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長の支持率が急落、代わりに中道野党の安哲秀(アン・チョルス)氏が上昇した。保守・中道の分裂を回避する野党候補の一本化が、政権交代の成否を左右する展開となりそうだ。

野党「国民の力」の尹氏の陣営は、年明けから大きく揺れ動いた。妻が経歴を詐称していた問題や、36歳の李俊錫(イ・ジュンソク)党代表との対立で支持率が急落した。統制不能に陥り、5日に選挙対策委員会を解散すると表明した。

翌6日には党内で李代表の責任論が噴き出し、国会議員らは辞任要求の決議案を提出しようと動いた。議員総会で演説を始めた李代表に歩み寄った尹氏は「過ぎたことは全て忘れよう。力を合わせて勝利を成し遂げよう」と抱き合って和解を演出した。

陣営の立て直しを誓った尹氏は、李代表と二人三脚で無党派が多い20~30代に的を絞った戦略を展開。11日の記者会見では、子どもが生まれた家庭に月100万ウォン(約9万7000円)を1年間給付する公約などを表明した。

いったん離れた若年層の支持が、どこまで戻るかは分からない。政治経験の乏しい大統領候補と党代表が、影響力のある国会議員たちを従わせるのは簡単ではないからだ。伸び悩めば、亀裂が再び顕在化する可能性がある。

韓国ギャラップが7日に公表した世論調査で、尹氏の支持率は2021年12月中旬から9ポイント、「国民の力」の政党支持率は4ポイント下落した。

逆に支持を伸ばしたのが中道野党「国民の党」の安哲秀代表で、支持率は10ポイント上がり15%となった。尹氏を支持する層の一部が乗り換えた。

今は小政党を率いる安氏は、医師や起業家など多彩な顔を持つ人物だ。かつてコンピューターウイルス対策ソフトを開発、無償で公開し「韓国のビル・ゲイツ」と呼ばれたこともある。

安氏は17年の大統領選でも、行き場を失った保守票の受け皿となった。一時は本命候補だった文在寅(ムン・ジェイン)氏に迫る勢いだったが、テレビ討論で評価を落とし、最後は3位に沈んだ。

与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道知事は支持率でトップに浮上したが、数字は21年11月末の調査から横ばいだ。革新系支持層を超えた広がりを欠いている。抜け毛治療への健康保険適用を新たな公約に掲げるなど話題づくりに必死だ。

支持率が近接する3候補による三つどもえとなった場合、野党票が割れ、与党の李氏が漁夫の利を得る可能性が高い。

このため「政権交代には野党候補の一本化が必要」(尹陣営関係者)との声が強まっている。現時点で尹、安の両候補とも共闘には言及していないが、大統領選の告示に相当する候補者登録は2月13、14の両日で、まだ1カ月ほど猶予がある。

「本命不在」ともいえる接戦だけに、候補者の失言やスキャンダルで無党派層の支持は大きく振れる余地がある。野党側は世論の動向を見極めながら、ぎりぎりまで一本化の可能性を探るとみられる。

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