スリランカ大統領、IMF支援の月内承認期待

【ムンバイ=花田亮輔】スリランカのウィクラマシンハ大統領は7日、国際通貨基金(IMF)と暫定合意に至った29億ドル(約3900億円)の金融支援について月内にもIMFから承認が得られるとの期待を示した。対外債務の再編を巡り主な債権国である中国側からも、中国輸出入銀行の書簡を通じて新たに支持を得たと述べた。ロイター通信などが報じた。
ウィクラマシンハ氏はIMFの支援について「3月の第3週か第4週に承認されると見込んでいる」と語った。経済危機に直面したスリランカは2022年9月、IMFと29億ドルの支援で実務者による暫定合意に達したと発表していた。IMFは支援の前提として対外債務の整理再編を求めており、中国の動向が焦点となっている。
インドが議長国を務めた2月下旬の20カ国・地域(G20)の財務相・中央銀行総裁会議でも、スリランカをはじめとする新興国の債務問題が議論された。
スリランカは新型コロナウイルス禍による観光業の低迷で、外貨準備が急減した。ロシアのウクライナ侵攻による国際商品市況の悪化も重なり、輸入品を中心とした深刻な物価上昇に見舞われた。
22年5月にはデフォルト(債務不履行)状態に陥った。経済危機に伴い国民の抗議活動が激化し、7月にはラジャパクサ大統領(当時)が辞任に追い込まれた。