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次期大統領の尹錫悦氏、信念貫く硬骨検事として台頭

韓国の次期大統領になる尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏は信念を貫く検事として台頭した。朴槿恵(パク・クネ)前大統領の収賄事件での捜査指揮が文在寅(ムン・ジェイン)政権の目に留まり、2019年7月に検察総長に抜てきされた。

その任命式で文氏は「現政権でも不正があれば厳正な姿勢で臨んでほしい」と語りかけ、尹氏は大統領の言葉どおりに文氏側近の法相の疑惑を追及し辞任に追い込んだ。後任の法相とも激しく対立。法相は尹氏の部下を一斉に左遷し、尹氏自身の職務を停止する命令を発動した。尹氏は法廷闘争の果てに職務復帰を果たし、2人目の法相も辞任する結果となった。

こうした文政権との対立劇が連日報じられたことで、周囲から「反文政権の象徴」とみられるようになった。尹氏本人も当初は大統領選への立候補を否定していたが、保守系最大野党「国民の力」に候補として担ぎ上げられた経緯がある。

ソウル大法学部出身で長く司法浪人を経験した。9回目の司法試験に合格し、33歳で新人検事となった。政治家や財閥創業家が関与する大型の不正事件を多数担当し、検察内部での評価を高めた。

13年の国家情報院の世論操作疑惑では、政権の意向を忖度(そんたく)した上司の指示に背いて捜査を強行して職員の逮捕に踏み切った。後日受けた監査の席で「私は人に忠誠を尽くさない」と言い放った。権力が絡む複雑な事件でも「法と原則に忠実な姿勢で厳正に対処する」として信念を貫く考えを示してきた。

ただ、信念に忠実であるがゆえに融通が利かないとの評もある。大統領選期間中も党幹部と再三ぶつかってきた。理念だけでは通用しない政治の世界での指導力や調整能力は未知数のままだ。

政治経験のない尹氏を支えるのは、元検事やソウル大出身の政治家たち。検事出身で幼なじみの権性東(クォン・ソンドン)国会議員が陣営を取り仕切り、最側近の張済元(チャン・ジェウォン)国会議員が土壇場での野党候補の一本化を実現させた。

外交安保分野では、北朝鮮核問題に詳しい尹徳敏(ユン・ドクミン)元国立外交院長、日本研究の第一人者である朴喆熙(パク・チョルヒ)ソウル大教授なども政策ブレーンとして脇を固める。

大学教授の両親の長男として生まれた。父親の一橋大学への国費留学に帯同する形で幼少期に日本に滞在したこともある。家族は53歳の時に結婚した妻。料理が趣味で、独身時代は部下に手料理を振る舞った。検察内部でも群を抜く酒豪という。(ソウル=細川幸太郎)

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