百度、運転席無人の自動運転許可 北京で初の公道試験

【北京=多部田俊輔】中国ネット大手の百度(バイドゥ)は7日、北京市で初めて運転席を無人にした自動運転車両の公道走行試験の許可を得たと発表した。百度は9月に湖南省長沙市で同種の許可を得ている。走行データの蓄積を増やすことで自動運転技術の開発を加速する。
百度によると、北京市当局から5枚の許可証を得た。これまでは運転席に「安全員」と呼ばれる人員が座って走行を監視していたが、新しい許可では運転席を無人にすることができる。当面は車内の助手席などに安全員を配置して不測の事態に対応する。
高速通信規格「5G」を使って、車載カメラの映像や各種センサーの情報を常時共有化することで、遠隔で走行をコントロールできる仕組みも導入した。法律などの整備にあわせて、将来は車内に安全員を配置しない形での運用をめざす。
百度は2017年に自動運転の開発連合「アポロ計画」を立ち上げ、中国政府の支援を受けてきた。これまでに湖南省長沙市や北京市などの限られた地域で自動運転タクシーの試験サービスを手掛けている。
中国政府は25年をめどに新車販売の半分を条件付きの自動運転車にする方針だ。百度のほか、中国配車アプリ最大手の滴滴出行(ディディ)や自動運転スタートアップの小馬智行(ポニー・エーアイ)などが自動運転の開発を競っている。