ホンダ、インドで四輪生産停止 コロナ拡大で二輪以外も
【ムンバイ=花田亮輔】ホンダは7日、インドの四輪生産を停止した。西部ラジャスタン州の工場の操業を、設備メンテナンスを前倒しするかたちで18日まで停止する。インドでは新型コロナウイルスの感染が急増しており、すでにホンダは感染防止の観点から同国の二輪工場を1日から15日まで停止する方針を明らかにしていた。
インドでは変異ウイルスの発生もあり、新型コロナ感染が過去最悪のペースで広がっている。7日にインド保健・家族福祉省が発表した直近24時間の新規感染者数は41万4188人だった。各地で外出制限が出ているほか、病床や治療用の酸素が不足するなど医療崩壊の危機に直面している。インド政府は4月下旬に工業用酸素を医療用に回す指示などを出した。一連の影響でスズキの四輪生産も、6月に予定していた設備メンテナンスの前倒しとして止まっている。
ホンダのラジャスタン州の工場の年産能力は18万台。ホンダは2020年12月に、2工場で担ってきたインドの四輪生産を同工場に集約していた。ホンダは7日時点で、同国の駐在員を半数以上帰国させていることも明らかにした。
トヨタ自動車もインドに約40人いる駐在員に対し避難を促した。全社的な強制退避ではないものの、希望者に対し、一時帰国を認める通達を6日までに出したという。実際に何人が帰国するかなど詳細は明らかにしていない。
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